20090301

cinema

チェンジリング Changeling
2008UIP(東和)/141min./C.S./SRD

よかった。凄くよかった。小細工無しの真っ向勝負な感じの映画。
相変わらずイーストウッド監督作品は描写力が緻密にして力強い。
この人"人間"描かせたら世界一だね。よく解ってるよ。
その上で真っ向勝負してくるんだから。そら引き込まれるよ。
今回はアンジーが凄いわ。
実話を扱った作品での演技に、実生活でも母親であるってリアリティ。
このリアリティの乗算が画面に問答無用の説得力を漲らせてた。
まさに鬼気迫るって感じ。
で、脇を固める役者も隙が無い。
マルコヴィッチにジェフリー・ドノヴァン。エイミー・ライアン。
マイケル・ケリーもよかった。名前を覚えたよ。この映画で。


フェイクシティ Street Kings
2008FOX/109min./C.S./SRD

どっかで観たってか、明らかに12chで何度か観た感じ満載な、
"セガール拳"が炸裂してても違和感無い感じなんだけれど、
どっこいキアヌ主演のクライムアクション・ムービー。
ま、見慣れた感じの、ちょっと懐かしさもしてきはじめた感じのストーリー。
自己紹介シーンが冒頭にあったのが、久しぶりで逆に目を引いたかな。
「パッとみてそのキャラが把握できる描写」の事ね。
この映画だと、目覚まし止めて、起きて歯を磨いて出かける迄の、数分のシーン。
で、これがあるから、いきなりストーリーが走り出しても、観客は付いて来るのね。
便利だから多用されて、チープになっちゃって。
だから最近減っちゃった手法なんだろうけれどね。
でも有効だからこそ多用されたんだって事に、改めて気付かされた。


7つの贈り物 Seven Pounds
2008SEP/123min./C.S./SRD

お釈迦さまの"捨身飼虎"の話の方が全然良く出来てるよ。
「は? それで?」って感じのストーリー。
本が良くない。しかも映画は下手糞。特に大事な序盤が酷い。
今後のストーリーラインを考えた上で、序盤のシーンで、どう心象を導きたいのか。
或いは、どう導けば良いか。どこまでが必要でどこからぼかしたらいいか。
その辺のサジ加減がまるで解ってない感じ。
ヒントとなるカットをチラホラ散りばめみてるんだけれど、
後もう一つ「これは絶対に必要!」って肝心のカットが何故か無い。
それは明らかに、観ているこっちが脳内で補うべきじゃないカット。
で、「つかみ」でさっぱり掴んでないまま、
途中で「ああ、掴み損なったのね」と気付いちゃうシーンがポンと出て来る。
で、ラストに「さあ泣け! 涙と鼻水でパックしたみたいな顔になれ!」とやられても。
折角のウィル・スミスが勿体無い気がした。

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