利休にたずねよ
2013/123 min./2.35/Dolby Digital
面白かった。
現在まで連綿と続く日本の美意識を作った人物の伝記映画なせいか、
ある程度、客と小屋を選ぶ作品なように思った。
それは、静寂の中の衣擦れの音。
和服独特の、あの刷れる音を大事に録って、演出としていた。
あれは秀逸。
海老蔵の着慣れた袖のさばきなんか、観てて小気味よかった。
ただ渋好みのジジイの役にしては、目がキツすぎる。
中谷美紀の足袋が意外なことに足に馴染んでいるのを見て、驚いた。
やっぱ足袋は、ああでないと。
大森南朋の秀吉は、なんか芝居に違和感を覚えた。
あの人買いに売られた高麗女のエピソードは丸々余計。
あれよりもっと根本的な、茶道に息づいている三法印の思想の解説入れた方が、
参禅していた利休の茶道の根本を表現できたろうに。
絶対松竹の映画だろうと思って疑いもしていなかったから、
エンドロールで東映って観たときは驚いた。
利休の「渋好み」の、黒とか茶とか鼠とか地味でジジ臭いもんより、
俺は、その前の桃山文化の艶やかな色使いの方が好き。
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