20150705

Kis Uykusu


面白くなかった。
原題「冬眠」だけど、こっちが寝ちまうよ。

まず、この尺は不必要。どのシーンも間がダルい。
空気感を伝えようとして、テンポをぶち壊してるように思った。
そこへ眠たくなるようなオッサンのお花畑な内面描写と、
シューベルトのピアノソナタと、雪の舞うカッパドキア。
寝かしつける気満々としか思えない。

役者は頑張ってたけれど、脚本も演出も悪い。

この映画を観て「素晴らしい」と悦に入る連中って、ちょっと気持ち悪い。
筋のない物語を内面描写だけで転がせばチェーホフになる訳じゃないだろうに。
シェークスピアからセリフ引っ張ってきたからといって、知性を感じるわけじゃない。
知識があってそれを自慢したがる知性を感じない手合いに似たものを感じた。

内面描写も度が過ぎれば痛々しい。
そういうのに限って、見ていて面白い内面なことは、まず無い。
そういう毛色の作品を否定はしないけど。
年齢によって感じ方が変わるのは承知の上での話。
年齢変わっても「うぜー」と思う起因要素には大きな変化が無いことは最近気づいた。
進歩のないダメな大人なだけかも知れないけれど(←"うざい"内面描写)

この映画で描かれているのは、
・「暇を持て余している奴は周囲に迷惑しか撒き散らさない」という事例。
・「家庭内で誰かがぶつけたイライラは必ず家庭内に伝播する」という真理。
・何歳になっても人は自分の都合に合わせて他人を語るという事実。

まあ、そんなもん現実に毎日のように見てるわけだから「何が面白いんだ」って話で。
だったらせめて笑い飛ばせるようにしてくれないと救いがないし息が詰まる。
作中でも窓あけてたけど、そりゃおまえこっちのセリフだよって思った。
もっといえば、こういうのを200年前から笑い飛ばしてきた文化が日本にはある。

この監督の「繭」を観たことがあるけれど、この作品観て「ああ、なるほど」と思った。
やりたいことが少し懐古趣味的。
はっきりいうと古いんだと思うよ、この監督のツボって。

No comments: